製品のはてな?

<クラスター>

<クラスター>はどうして印刷広告用の生地に使われるの?

屋外や屋内の印刷広告用生地として使われる<クラスター>。
私たちの身の回りではどんなところで活躍しているのでしょうか?

一度は目にしているかも

Q デパートにかかっている「××セール開催」の垂れ幕にも<クラスター>が使われているんですか?
A

ええ。垂れ幕の広告は<クラスター>のような特殊な生地を使っています。映画館の外にかかっているポスターもそうですし、最近ではコンビニ店舗の看板や道路標識などの内照式屋外広告にも用途が広がってきています。

Q 身近なところで使われているんですね。
A

実はプロジェクターを映すスクリーンも<クラスター>の用途の一つなんです。スクリーンのシェアは当社が国内の約70%(06年1月 クラレプラスチックス(株)推定)を占めているので、皆さんが利用している会議室のスクリーンや映画館のスクリーンの中には<クラスター>が使われているものもあるかもしれません。

丈夫なビニール素材<クラスター>

Q では<クラスター>っていったいどんなものですか?
A
<クラスター>の生産工程

<クラスター>は基本的には、ポリエステル系繊維の織物を軟質な合成樹脂フィルムで挟んだビニール系の素材で、一般名称をターポリンと言います。下のイラストのように<クラスター>は原料のフィルムを熱融着させて生地に仕上げています(クラレプラスチックス伊吹工場で生産)。<クラスター>の表面の材質、色、模様(シボ)は、この工程で自在に変えることができます。

Q <クラスター>の特長は?
A

用途別に説明していきましょう。垂れ幕などの看板は大型インクジェットプリンターを使って生地<クラスター>に印字していきます。ここで求められるのは発色の良さと、印刷工程におけるスムーズな搬送性です(搬送性とはプリンターでいう紙詰まりのような現象を起こさせないという意味です)。<クラスター>はその点、インクがにじみにくく、厚さを均一に仕上げているので生地がよれたり、たるんだりせずきれいに印刷することができます。
一方、スクリーン用途は<クラスター>の生地をピーンと張るためにポリエステル系繊維ではなくガラス繊維を挟んで平面性を高めています。表面は光が反射しないようマットな質感に調整しています。テレビと同じようにスクリーンにも高画質の要求が高まってきていますからね。

Q なるほど。<クラスター>は看板や映像を目立たせる縁の下の力持ちですね。
A
色や模様、機能まで豊富な<クラスター>(カタログ見本)

ほかにもテントやブラインドの生地、業務用シートなど、ユーザー先でいろんな使い方がされています。中でも<クラスター>を使った業務用エプロン用(前掛け)生地は、ビニール素材で水をはじくとともに、生地が丈夫なので好評を得ています。最近では、お客さまの要望にこたえて、水周りの仕事をしているときに足下に水が滴らない改良品を開発し、製品での展開を進めています。

海外のスクリーン市場に挑む

Q 今後の展望は?
A

インクジェット用途は印刷の精度をさらに上げていくことが課題です。当社の位置付けを確立できるように拡大を図っていきたいと思います。これまで国内だけで活躍していたスクリーン用途も、海外に進出する動きになってきました。北米と中国を視野に入れており、海外のスクリーンで<クラスター>が活躍するよう積極的にアプローチしていきたいですね。