kuraray 株式会社クラレ


活性炭繊維(キャパシタ)

「キャパシタ用活性炭繊維」って、どんなもの?

更新日:2003/9/17

蓄電機能をもつ「キャパシタ」に使われる繊維状の活性炭

キャパシタ用活性炭繊維って、どのようなものなのですか?

「キャパシタ」という蓄電装置に使われている繊維状の活性炭のことです。まず、キャパシタから説明しましょう。キャパシタは「電気二重層」という現象を利用した蓄電装置です。電気二重層とは、イラスト(1)のように、固体と液体が接する界面に電荷(プラス・マイナス)が並ぶ現象のことで、これを利用して、電気を蓄える機能をもたせた物がキャパシタなんです。イラスト(2)は電池を利用して蓄電した状態なので、電池を外しても豆電球は光るんですよ。

(1)電気二重層

(2)電気二重層

キャパシタはどんなところに使われているのですか?

小容量ボタン型のキャパシタ。パソコンや通信機器のメモリーバックアップ用電源として使われている。

一番身近なところでは、メモリーバックアップ用電源としてパソコン・ビデオ・AV機器などに使われています。例えば、停電してもパソコンはすぐにはダウンしませんよね。これは、写真のような小容量ボタン型のキャパシタが機能しているからなのです。また、夜間に道路上で光る道路鋲にもキャパシタが用いられています。これは、昼間に太陽光から得たエネルギーをキャパシタが電気として蓄え、夜間に蓄えた電気で光り、安全性を高めるというものです。

キャパシタの高性能化に寄与する活性炭の細孔

では、活性炭繊維はキャパシタのどこに使われているのですか?

1本1本がキャパシタ用活性炭繊維、
無数の細孔があいている。

活性炭繊維はキャパシタの電極部分にぴったりなんです。繊維は1本8μ(1ミクロンは1/1000ミリ)と非常に細く、20オングストローム程度(1オングストロームは1/1000万ミリ)の細孔が無数にあいているんです。その細孔の1つ1つに硫酸などの電解液が入り、個々の細孔で電気二重層の現象が生じ、電気が発生します。これをキャパシタが蓄えるのです。このように、活性炭繊維は小さいながらも電解液と接する面積が大きいことから、キャパシタにぴったりと言えるのです。また、活性炭繊維は原料が合成繊維であることから、不純物がほとんどなく、キャパシタの耐久性向上に役立っているんですよ。

大きな可能性を持つ高性能キャパシタ

今後の展望は?

現在、電池で機能する機器は非常に多く、近い将来、高容量のキャパシタが実用化すれば、キャパシタは今まで電池が使われていた分野に入り込んでいけると考えています。例えば、現在は携帯型MD・CDや携帯電話は二次電池(アルカリ乾電池などの一次電池と異なり、充電して繰り返し使用ができる電池)を使っていますが、代わりにキャパシタが使えるようになる可能性が高いんです。そうなると、活性炭繊維の需要も大きく伸長すると期待しています。キャパシタをより高性能にするべく取り組んでいます。

なるほど。そのほかには?

現在、キャパシタは自動車用途に開発が進んでいます。ハイブリッド車や燃料電池車など環境対応自動車に使われています。キャパシタは環境保全をめざす時代の潮流にも合致していることから、キャパシタ用活性炭繊維の成長が楽しみです。