更新日:2003/9/17

人工腎臓は、「ダイアライザー」と呼ばれる医療器具の一種です。過去にはいろいろな種類がありましたが、現在では「中空糸型」のダイアライザーが主流となっています。ダイアライザーは円筒状の容器で、中には細いストロー状の中空糸膜が約8千から2万本束ねられて入っています。中空糸膜は薄い半透膜で、無数の小さな穴があいています。
メーカーによって違います。天然膜ならセルロース、合成膜ならポリスルホンなどで作られています。クラレメディカルは合成膜メーカーであり、EVOH樹脂<エバール>を使用しています。
末期腎不全など、腎臓がほとんど働かなくなった時に、ダイアライザーや透析装置などを使って血液透析という治療が行われます。その際、ダイアライザーは腎臓機能の一部の働きをするのです。具体的には、(1)尿毒素を取り除く、(2)余分な水分を取り除く、(3)電解質(ナトリウムやカリウムなど)を調節する、(4)血液を弱アルカリ性に調整する、という働きです。
ダイアライザーの細いストロー状の中空糸膜の内側に血液を通し、1本1本の中空糸膜の外側に透析液(電解質などの成分を含んだ液)を流します。ダイアライザーの中で血液と透析液が中空糸を介して接することにより、中空糸膜の無数の小さな孔を通して体の中にたまった尿毒素などが取り除かれ、体に不足しているカルシウムなどが補われます。
他の膜の材質に比べて、血液適合性が良いと言われていることですね。血液は異物に触れると固まる性質をもっていますが、<エバール>製だとそういった影響が少ないと言われています。
中空糸膜は孔の大きさによって除去できる物質や捕らえる物質が違ってきますので、孔の大きさを変えることで、腎不全以外の病気の治療にも応用しています。例えば、肝不全やリウマチなどの病気の場合、血漿交換という治療を行うのですが、この際に使用する血漿分離器という医療機器は、腎不全の際のダイアライザーよりも中空糸膜の孔が大きく作られます。
そうですね。孔の大きさやあき方、数などの改良はもちろん、膜そのものの血液適合性の向上が患者さんのQuality of Lifeの改善につながりますので、それらの研究・開発を進めているところです。