kuraray 株式会社クラレ


ビニロン(セパレーター)

どうしてアルカリ電池に「ビニロン」が使われているの?

更新日:2003/9/17

アルカリ乾電池のセパレーターには、クラレの差別化ビニロンを用いた「紙」が使われていると聞いたのですが、本当ですか?

アルカリ乾電池の構造

ええ。簡単に電池の構造を説明しますね。図のように、アルカリ性の水酸化カリウム溶液を電解液に、二酸化マンガンを正極、亜鉛を負極として利用しているのが、アルカリ乾電池です。そして、必要なときに電気をとり出す、これが電池の原理です。ここで負極と正極が接触しないように設けられた仕切りがセパレーターで、そこにクラレの「差別化ビニロン」を用いた特殊な紙が使われているんです。セパレーターは緻密な紙で、電解液は行き来できるけれど、電池反応で生じる生成物は行き来できないようにしてショートを防止しているんですよ。

では、セパレーターにどうして「差別化ビニロン」が使われているんですか?

ビニロンは耐アルカリ性に優れているので、電解液である高濃度の水酸化カリウムの強アルカリ性にも耐えられるのです。ほかの素材、例えばポリエステルでは溶けてしまってダメなんです。この強さはビニロンを構成するポバールの化学的な構造に由来していて、同様に、建築物用の繊維強化セメント(FRC)の補強用繊維としてビニロンが使われているのは、耐アルカリ性という優れた性質をもっているからです。

市販の電池には「水銀ゼロ」の表示がされていますが?

電池内の亜鉛が勝手に反応すると、腐食がすすんで寿命を減らし、ときには電池内に発生したガスによって液漏れが生じてしまうこともあります。このような余計な反応を抑えるのが水銀なんですね。でも、環境への配慮から電池メーカーでは、「水銀を使わない電池」の開発が望まれていました。そんな中、(1)「差別化ビニロン」の細かい網目が生成物を高効率でセパレートし、(2)水銀に代わってほかの金属と亜鉛とを合金にすることで亜鉛の勝手な反応を抑えることができたことにより、水銀ゼロの電池が誕生したのです。

今後セパレーターに求められる機能は?

アルカリ乾電池

充電が必要な2次電池に比べてアルカリ電池といった1次電池は、安く、手に入れやすいのがいいところ。最近では、携帯型電気製品が増え、ますますハイパワー、かつ長寿命電池が求められています。クラレでも、開発・販売が一丸となって「より高性能なセパレーターを」という市場ニーズに応えるべく開発を進めています。