更新日:2011/5/31
ポリエステルの場合は、化学反応ではなく物理的に染料が繊維の中に入っていきます。ポリエステルというのはとても剛直なポリマーなので、その中に染料を進入させていくというのは、普通の温度では非常に難しいのです。
そこで、130℃の熱水で繊維の分子運動を活発にさせ、ポリマーの網目が開いたときに染料を進入させる。簡単に言えば、ふやけさせて染めるのが一般的です。
ポリエステル繊維は酸とアルコールの2つの成分から合成されます。第3の成分を加えることで、さまざまな異なる性質が得られます。低温染色が可能なポリエステル繊維は以前から知られていますが、強度が弱くなるなどの欠点がありました。
しかし<ピュアス>は、第3成分にクラレ独自の原料を使用することで、強度や染色堅牢度を落とすことなく、従来と比べ25℃低い温度の105℃で染色することが可能になりました。また、低温で染めることによって、重油の使用量が削減され、染色時のCO2排出を20%削減することができるのです。
<ピュアス>十字断面糸の拡大写真
<ピュアス>は繊維の強度を保ちながら、課題とされていた日光や洗濯による色落ちなども従来品に劣ることはありません。
はい。繊維の強度を落とすことなく低温でしっかりと染色できるためのポリマー設計に最大の苦労がありましたが、クラレの優れたポリマー技術とクラレと当社の紡糸技術によって、1年半という短期間で完成することができました。
クラレトレーディングでは当社が提供する商品やサービスの中で、CO2削減効果の高いものや環境改善に役立つものに<エコトーク>ブランドの名称をつけて販売を開始しています。
<エコトーク>では製品を「マテリアル」「ニュープロセス」「リサイクル」「エンバイロメント」「ライフスタイル」の5つのジャンルに分類していますが、<ピュアス>は<エコトーク>「マテリアル」の新ラインアップに位置付け、同ブランドの基幹素材として展開していきます。
<ピュアス>繊維で作られたスポーツ衣料
<ピュアス>はまずスポーツ衣料に注力していきます。この分野では環境と品質への要求度が大変厳しいので、<ピュアス>にとってかっこうの試金石となります。続いて婦人服のブラックフォーマル分野への登場を視野に入れています。
将来、私どものすべてのポリエステル繊維を<ピュアス>に置き換えることを目指しています。