2006年4月
バブル後の“失われた10年”がようやく去り、ゆるやかな景気回復が多くの日本人の気持ちを明るくしつつあるようです。
化学品メーカーの(株)クラレ(本社:東京都)では、こうした状況下にあって現代の日本人が「今、日本が一番世界に誇れること」は何だと考えているのか知るため、ハガキと携帯電話メールによる「ひと言アンケート調査」を実施しました。有効サンプルは、10代から60歳以上の6世代、男女の比率がほぼ均等になるよう抽出し、集計しました(有効サンプル数=1,300、男女各650)。
調査概要は以下の通りです。
| (1)調査方法 | ハガキ、及び携帯電話メールで「今、日本が一番世界に誇れること」ひとつを書いて応募。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (2)調査時期 | 2005年10月12日~11月26日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| (3)有効サンプル数 | 1,300
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| (4)結果概要 |
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トップ3に挙がったのは(1)技術(14.9%)、(2)平和(13.2%)、(3)自然(13.1%)です。7位に挙がった(7)自動車(6.1%)にはエコカーやハイブリット車を評価するなど技術的な要素も含まれていることから、現代日本人の約2割が世界に誇れると思うことのトップに「日本の技術」を挙げています。技術の内容には、技術力(2.5%)、IT技術(1.2%)、ストレートに技術(1.1%)、ロボット(1.1%)、職人技(1.0%)、ものづくり(1.0%)、中小企業・下町工場の技術力(0.8%)、家電製品(0.8%)などが挙がっており、幅広い分野に及んでいます。
2位にランクされた(2)平和(13.2%)は、平和であること(7.2%)、平和憲法(3.0%)の存在、60年間戦争をしていない(2.3%)を多くの日本人が高く評価しています。
| 順位 | 一番、 誇れること |
全体 [1300] |
男性 [650] |
女性 [650] |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 技術 (194) |
14.9 | 18.3(1) | 11.5(3) |
| 2 | 平和 (172) |
13.2 | 13.7(2) | 12.8(2) |
| 3 | 自然 (170) |
13.1 | 9.7(3) | 16.5(1) |
| 4 | 特性・特質 (118) |
8.7 | 7.5(5) | 10.6(4) |
| 5 | 食 (89) |
6.8 | 4.6(8) | 9.1(5) |
| 6 | 文化 (85) |
6.5 | 5.8(6) | 7.2(6) |
| 7 | 自動車 (79) |
6.1 | 8.6(4) | 3.5(9) |
| 8 | 治安・安全 (64) |
4.9 | 4.6(8) | 5.2(7) |
| 9 | アニメ・漫画 (62) |
4.8 | 5.2(7) | 4.3(8) |
| 10 | スポーツ (49) |
3.8 | 4.3(10) | 3.2(10) |
※[ ]実数、単位%、()順位
(3)自然(13.1%)を挙げた人の中では、四季がある(6.6%)が最も多く、ストレートに日本の自然(2.2%)、日本の山を代表する富士山(1.4%)、温泉(0.8%)、世界遺産(0.6%)などを誇りとしています。
4番目は(4)日本人の特性・特質(8.7%)です。評価しているのは、時間に正確(1.5%)、勤勉(1.4%)、日本人の心(0.5%)、手先が器用(0.5%)、思いやり(0.4%)や助け合い(0.3%)、きれい好き(0.3%)、礼儀正しい(0.3%)、和(0.3%)、もったいないの心情(0.3)、国民性(0.2%)など、多くの特性・特質が挙がっています。
5位の(5)食(6.8%)では、和食(2.4%)を挙げる人が多く、以下、水(1.6%)、日本の食文化(1.2%)と続きます。
(6)文化(6.5%)では、伝統文化(1.3%)を筆頭に、神社仏閣(0.7%)や日本語(0.7%)、日本文化(0.7%)、着物(0.5%)などです。
(7)自動車に続いて8番目は(8)治安・安全(4.9%)です。9年前、ビジネスマンに聞いた結果(4~5頁参照)ではトップ(13.1%)だったのに比べると、「治安がよく安全な国」というイメージは遠い昔のことになりつつあるのでしょうか。9位は(9)アニメ・漫画(4.8%)で、世界に誇れる分野となっています。
10位の(10)スポーツ(3.8%)では、多くの日本人が大リーガー(1.1%)で活躍するイチローや松井、井口選手を誇りにし、以下、日本のスポーツ(0.8%)、女子マラソン(0.6%)、柔道(0.5%)などが続きます。
男女別に見ると、男性は(1)技術(18.3%)、(2)平和(13.7%)、(3)自然(9.7%)の順で全体のランクと同じです。一方、女性は(1)自然(16.5%)をトップに挙げ、(2)平和(12.8%)、(3)技術(11.5%)となります。
また、女性は日本人の(4)特性・特質(10.6%)を男性(7.5%)より高く評価しているのに対し、男性は
日本の(4)自動車(8.6%、女性=3.5%)に誇りを持っています。
年代別に見ると、世代間の違いが出てきます。意外なのは10代(13.8%)が日本人の特性・特質を他の年代より一番高く評価していることです。日本の文化も20代(11.7%)が他の年代より高く、かえって40代(2.9%)、50代(2.3%)、60以上(3.9%)の中高年層の方が低い評価を下しています。
逆に中高年層が若い年代より評価しているのは、平和(60以上=17.6%)、自然(50代=19.1%)、治安・安全(50代=7.4%)などです。
これからの日本を中心となって担っていく働き盛りの30代の9.1%が誇りとするものが「何もない」と回答しており、他年代より圧倒的に高い4位にランクされているのは心配されるところです。
「経済」は12位と低迷。失われた10年を取り戻すのは容易なことではありません。
| 順位 | 一番、 誇れること |
全体 [1300] |
10代 [210] |
20代 [230] |
30代 [230] |
40代 [210] |
50代 [215] |
60以上 [205] |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 技術 (194) |
14.9 | 12.4 | 18.7 | 15.2 | 14.8 | 13.5 | 14.6 |
| 2 | 平和 (172) |
13.2 | 11.9 | 11.3 | 11.7 | 13.8 | 13.5 | 17.6 |
| 3 | 自然 (170) |
13.1 | 9.5 | 11.7 | 8.3 | 17.1 | 19.1 | 13.2 |
| 4 | 特性・特質 (118) |
8.7 | 13.8 | 6.1 | 7.8 | 11.0 | 7.9 | 8.3 |
| 5 | 食 (89) |
6.8 | 7.6 | 7.8 | 5.7 | 5.2 | 7.9 | 6.8 |
| 6 | 文化 (85) |
6.5 | 8.1 | 11.7 | 9.6 | 2.9 | 2.3 | 3.9 |
| 7 | 自動車 (79) |
6.1 | 4.8 | 3.0 | 7.4 | 9.5 | 5.1 | 6.8 |
| 8 | 治安・安全 (64) |
4.9 | 4.3 | 3.0 | 6.1 | 4.3 | 7.4 | 4.4 |
| 9 | アニメ・漫画 (62) |
4.8 | 8.6 | 9.6 | 6.5 | 1.9 | 0.9 | 0.5 |
| 10 | スポーツ (49) |
3.8 | 5.2 | 3.0 | 3.0 | 3.8 | 4.2 | 3.3 |
| 11 | 何もない (37) |
2.8 | 2.9 | 3.5 | 9.1 | 0.5 | - | 0.5 |
| 12 | 経済 (35) |
2.7 | 1.4 | 2.6 | 3.5 | 2.4 | 3.7 | 2.4 |
| 13 | 医療 (10) |
0.8 | 0.5 | - | 1.3 | 0.5 | 1.4 | 0.5 |
(株)クラレでは、1997年2月、当社ホームページにアクセスしてきたビジネスマンを対象に「日本の誇れること」をアンケート調査し、有効回答328人の結果をまとめています。集計のまとめ方は今回と若干違いますが、ご参考資料として添付します。
国際化が進む中、日本法人や日本人をターゲットにした事件の続発を反映してか、(1)治安の良さ(13.1%)を挙げるビジネスマンが最も多く、以下(2)科学技術の高さ(11.6%)、(3)人間性の良さ(11.0%)と続きます。
年代別に見ると、20代では(1)科学技術(13.8%)、(2)日本文化(11.0%)、(3)人間性(10.1%)と(3)経済力の高さ(10.1%)です。
治安の良さ(5.5%)は他の年代よりもかなり低く、若い頃から海外旅行に慣れた世代にとって日本の治安は決して誇れるものではないようです。経済力の評価(20代=10.1%)は40歳以上(3.9%)や30代(8.3%)に比べかなり高く、21世紀を担うヤングビジネスマンの評価は心強い限りです。
30代のミドルでは、(1)治安(17.3%)に続いて(2)食べ物の豊富さ(11.9%)がランクされています。食料自給率が先進国の中で最低水準にあることを考えるとちょっと不安にもなります。
40歳以上では治安(15.7%)とともに「四季がある」(同)がトップ。「美しい自然」(11.8%)を挙げるビジネスマンも多く、年配者は「日本の四季・自然」により高い誇りを感じています。