<血液透析によるEVOHの生体適合性>

1.血液透析中は生体にとって異物である透析膜に血液が接触すため血液細胞は活性化しやすくなり、透析膜に血小板や好中球が凝集するという問題が発生します。現在病院などで使われている透析膜材料はEVOH、セルロースジアセテート、ポリスルホンなどがありますが、透析後の膜を調べますと、セルロース膜、ポリスルホン膜には血小板−好中球凝集が認められましたが、EVOH膜ではありません。EVOHは生体にとって異物認識しずらい生体適合性に優れた材料であることが確認されています(文献:Int J Artif Organs. 2002 June;25(6):529-37「Cell activation and cellular-cellular interaction during hemodialysis: effect of dialyzer membrane」 Sirolli V et al)。又、EVOHは血液透析開始早期の血小板−好中球凝集、好中球による活性酸素種産生、血小板−赤血球凝集がセルロースジアセテート膜やポリスルホン膜にくらべ少ないという報告もされています。

2.血液透析における血液-透析膜の相互作用は生体防御である免疫システムを活性化させ、サイトカイン、活性酸素、一酸化窒素など一連の前炎症性化合物の放出を引き起こすと言われています。、EVOH膜のような生体適合性膜では、ポリスルホン膜やセルロースジアセテート膜などに比べその放出量が少なく生体組織に対する障害も弱いと考えられます。

(文献:腎と透析 別冊2003 「血液透析中の凝固と炎症反応:各種透析膜の影響」 Giovanni Pertosa 他)。